以前、熱心に学んでいたタロット
この数年は、自然療法家という立場であらためて
縁あって再び研究している。
そのなかで最近
「愚者 ( 0 : the fool ) 」のカードがよく出る。
始まり、自由・解放・好奇心と閃き
純粋さと独創的な発想で やりたいことを楽しむという意味がある。
逆にとれば無鉄砲さ、無計画、無謀、勇気が出ないという意にもなる。
周辺のカードからの示しもふまえると
考えすぎず、直感に従い流れに自然に乗り進むこと
新しい始まり・出発のとき という導きを感じる。
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仏教徒というわけではないけれど
最近ブッダの教えにも縁が向き学んでいる。
その中で、法然上人の
「愚者になりて往生す」という言葉に出会った。
親鸞が師である法然から直接聴いた言葉で
それを親鸞が最晩年の88歳になった時に
門弟に伝えたということだった。
法然ほどの智慧賢者でもなお
88歳にして自身をそのように捉えて
「愚者になる」ということの大切さを伝えようとした。
*
「愚者になる」とは
教養などの有り無しではなく
人間である限り、誰しもが持つ
根源的な要素を指すという。
欲にとらわれて自分を見失ったり
都合の悪いものを排除しようとして
他者を傷つけ悲しませたりする愚かさ
「愚者になる」とは
そのような人間の愚かさをよく知るということ
自分自身の姿に目を背けず、愚者の自覚を持つことが
誠に生きることであると説いている。
*
とはいえ、自らの愚かさの自覚は
なかなかできることではない。
少しでもよく見せようとしたり
自分は悪くないと自己弁護、正当化や
本当の自分の姿からつい目を背けてしまう。
しかし「愚者になる」ことによって
開かれてくることがある。
そして、愚かさを自覚するといっても
自分を否定することでは決してない。
(自分を否定することは、
相手を否定することにもなる。)
それは見栄でも卑下でもなく
今の素直な自分を受け容れること。
自分の愚かさを認めるところから
他者を理解し
人々との深い関わりを持つことができる。
「愚かさ」とは
人間が誰しも向き合う、
愛すべき真実なのだと思う。
*
” 純粋に、閃きに沿い新しい人生の旅がはじまる。
その時、常に感謝を忘れず、自分を謙虚に見つめ
人や自然から学び続けること”
タロットの意味に加え、仏教の教えも取り入れて
今、ありがたいメッセージを受け取ることになった。
自分の覚書きながら、共有したく
ブログの記事とさせていただきました。
2021/5/14
雨上がりの初夏日和に